(3)源流から情報発信 会報「源流の四季」を発行 ( 会報「源流の四季」報へ)
「多摩川源流写真展」(2001.5.24)
「多摩川源流写真展」(2001.6.7〜12)
a)多摩川源流域の特異性
多摩川源流に関して、地理的、歴史的に見て他の地域と異なる特異性を持っている。
その一つは、地理的には多摩川の源流として経済的、文化的に下流との結合が密接であるにも拘わらず、東京都と山梨県に行政的に分離しているため、様々な弊害が生じている。
山梨県民は、多摩川の源流が山梨にあることを気づいていないし、都民のほとんどは多摩川は奥多摩湖から発していると信じその上流に水源の森があることを知らない。どちらからもあまり関心の払われない知られざる地域である。
もう一つは、上記の件と関係して様々な情報が源流から、中流・下流に届かないことである。
テレビも新聞もラジオも都内で起こったことは都内に、県内で起こった出来事は県内へ報道する。源流研究所の取り組みは、新しい時代の要請に応えた事業として注目されマスコミで繰り返し報道されているが、その大半は甲府盆地のある山梨県内へ流れていく。
源流になじみの薄い県民へ情報が届けられ、伝えたい、知ってほしい流域の市民へは情報が届かないのである。また、源流域が百年も前から都の水源林であることから「県民に恩恵がない」として県民の関心を薄くしている。
こうした地理的・歴史的事情からいえることは、独自の情報活動、創造的で意欲的な情報手段の創設、開発が欠かせないと言うことである。善意に甘えたり、他人任せでは一時的に情報が広まったり、注目を浴びることはできるが継続できないということである。
そこで独自の情報手段として源流研究所の会報「源流の四季」を発刊し多摩川の流域に届けることにしたのである。
田中喜美子代表、中村所長
を訪れた。
b)会報「源流の四季」を発刊し流域との結びつきを図る ( 会報「源流の四季」報へ)
「源流の四季」創刊号は、2001年4月1日付けで5000部発行した。
2面3面を源流の四季をテーマにした写真で飾り、4面5面に「源流研究所」の設立の経過と目的・役割に関する記事を載せ、6面7面には各界からの源流へのメッセージを特集し、8面には、源流域の温泉を紹介した記事を載せた。
この創刊号を4月8日に開催された「多摩川源流研究所設立記念式典」参加者に配布したのを皮切りに、流域のすべての市町村、小中学校、図書館、公民館などに置いていただいた。また、多摩川に関心のある個人、市民団体などにも広く配布した。
ひき続いて夏号(第2号)を9千部、秋号(第3号)を1万部それぞれ印刷し、各市町村や個人、市民団体などに届けた。
ここで頭を痛めたことは、流域のすべての小中学校(公立校853校)にどんな手段で「源流の四季」を届けたらいいのかということだった。
郵送するとなると853校への郵送費だけでも10万円をこえることになる。教育委員会へお願いできないだろうかと思い、それぞれの市役所の企画課を訪問し、「多摩川源流域の自然は流域全体の宝であり財産なので子供たちへ是非知らせていきたい」、「この『源流の四季』を各学校に配布出来ないだろうか」とお願いしてまわった。
幸い、「源流の四季」の内容を確認してこれなら各学校に配布できるとの感触を得ていただき、各市町村の企画課、教育委員会、各学校へというルートが確立し、毎号が流域の各小中学校にへ届けられるようになった。
これは、源流と流域を結びつけていく大切な第一歩になるものと確信している。
その代わり、源流研究所も毎回「源流の四季」をもって各市町村を直接訪問することにしている。
岩井先生、井村主任研究員、
中村所長夫人
c)各地で「多摩川源流写真展」を開催
多摩川源流の自然を一人でも多くの市民に知って欲しいと考え、8年前から「多摩川源流写真展」を各地で開催している。
今年4月に源流研究所が設立されたのに何故8年前から写真展をとの疑問を抱かれるだろうが、実は中村文明所長は多摩川源流観察会の会長として各地で「多摩川源流写真展」を開催してきた。
塩山市、山梨市、川崎市、甲府市、日野市、世田谷区、八王子市などで、「多摩川源流写真展」を開き「知られざる源流を四季」を市民の皆さんへ広めている。特に川崎市多摩区のせせらぎ館では、毎年夏に開催し大変好評を博している。
この多摩川源流研究所のホームページの「源流フォトギャラリー」は、各地の写真展で展示している作品そのものである。写展で見るとより迫力と臨場感が味わえるので是非「多摩川源流写真展」に足を運んでいただきたい。
大変好評だった。
写真展を訪れる。
「多摩川源流写真展」
(2001.7.19〜8.20)
(2001.9.4)
(1)はじめに
(2)源流域の自然的・歴史的・文化的資源の調査研究とは
(3)源流から情報発信 会報「源流の四季」発行について
(4)日本初・常設の「源流体験教室」を創設
(5)好評の「源流・水源の森体験の旅」交流事業とは
(6)源流研究所設立 プロジェクト委員会答申について